福井良之助[1923-1986]が40歳過ぎまでの10年間、集中的に制作した約300種の「孔版画」。それらは重厚な美しさをもった作品群として、制作当初アメリカの愛好家によって好まれ高く評価されましたが、その格調⾼さとはうらはらに、1950年代当時ありふれていた、ガリ版と呼ばれる簡易印刷が⽤いられています。原版は蝋原紙、⾊彩は油絵の具が⽤いられ、時にカッターナイフのような薄さの刃によって描画される線には感動的な繊細さが宿ります。
*『福井良之助孔版画展』(2005年刊 岩手県立美術館/佐倉市立美術館/高崎市美術館発行)p.135(pr.258)掲載
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