plant collecting_ナミワリシモオビラン
螺鈿、蒔絵、卵殻など、伝統的な漆芸の加飾技法を⽤いて、⼩さくも凛とした架空の植物を造形する山岸紗綾[1981- ]。作家が長年手がける「植物採集シリーズ」の一点です。作品ごとに新種の植物標本のように桐箱に納められ、⽣態や名の由来を⽰す⽂章が付されています。作家のフィクショナルな⾔葉の⼒が、植物の⾒えない細部やそれらが⽣育する光景にまで想像をかきたてます。ブローチなどの装⾝具として、⾝辺に寄り添うこともしてくれる奥ゆかしいオブジェたちです。
「plant collecting_ナミワリシモオビラン / namiwarishimoobiran」
四国、九州以南、山中の湿原に生える常緑低木。夏頃、薄黄緑色と橙色の入り混じった肉厚の花をつける。「シモオビラン」同様に種子は半透明の肉質で表面に薄く細毛がある。和名は「波割霜帯蘭」と書き、種子が霜を纏ったようなその様から。「シモオビラン」に対してこちらは、経年変化により表面がやや虹色がかってくる。それが波模様のようであることからこの名がついた。美しいその種子表面には毒性があり、素手で触ると皮膚がただれる。「蘭」と名付くが、珍しい花という意味。
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